浜松市助産師会の研修会があり、その講師を担当してきました!
今回のテーマは、
「技の伝承Part8 お産の現場に明日から役立つ!
みんなが困る“回旋異常” 解決のためのHow to & 子どもの発達への影響を学ぼう」
でした。
昨年も、回旋異常のテーマで講師を担当しました。
ご好評をいただいたようで、今回は少しバージョンアップです。
追加でいただいたテーマは・・・
「マイピーロ」と「おひなまき」を教えて欲しいとのこと。
赤ちゃん教室にご参加いただける方が増えたこと、
まるまる育児が各地で行われてきたことから、
マイピーロやおひなまきを使っている方が地域に増えてきました。
すると、専門職のひとが知らない・・お母さんたちは一生懸命に使う・・・
こんな現象がおきて、今回の依頼につながったわけです。
前回の勉強会でも2時間ぎりぎりでした・・・
そこに、マイピーロとおひなまきを追加・・・絶対に難しい(汗)
でも、やるしかない! 地域にいるお母さんたちが、よりまるまる育児を
しやすくなるためには、多くの専門職の方にご理解いただくしかないですから!
ということで、話してきました!
まずは回旋異常から・・・
妊娠36週のエコーで赤ちゃんの顔が見えたら。
もうそれ回旋異常です。
いつから回旋異常の兆候があるか?!
妊娠初期のエコー写真です。
仕事中の姿勢、寝姿勢、座り姿勢で、回旋異常が起きやすいかどうかが決まります。
妊娠中にいいとされていた姿勢が、よくないことがあります。
妊婦さんの体づくりをしましょう。
回旋異常は予防できます。
分娩中にみつけたら、妊婦さんの体を動かしましょう!
麻酔分娩の前に見つけないと、体操ができません。
分娩中に見つけたら、教科書通りの分娩介助をすることをやめましょう。
・・・・・
こんなことを、できるだけ?わかりやすく? お伝えしました。
教科書通りの分娩介助が通じるのは、
教科書通りの骨盤の方だけ。
もはや、教科書通りの女性型骨盤は、妊婦さんの半数です。
ということで、参加者の皆さんの骨盤は「何型」ですか?
と、骨盤外計測をしました。
みなさんは、回旋異常を起こしやすいからだでしょうか?
おしりフリフリの体操をしやすいからだでしょうか?
できるだけ、実習を取り入れ、ご自分の体で感じていただく。
周りの人の体と比べてもらうことをしました。
おかげさまで大盛り上がり・・・(;´▽`A``
すでに、終了の時間が近づいています。
そして、後半は赤ちゃんの発達について
発達の原則がある。
発達の基本は子宮内の姿勢と発達にある。
まるまるできた子が いずれ伸びて 立ち上がる
体の中心軸を作れた子が いずれ手先が器用になる
頭・首の力がついて発達した子が 腰据わりや 立ち姿勢が綺麗になる
首を守りたいから マイピーロ
<実習>首の骨がひとつスムーズに動くだけで、からだの動きはどこまで変わるか?
参加者同士で首の骨の体操です。
前屈・後屈がどうかわるか・・・
ふふふ・・・どよめきが起きていました♪
体と脳の発達を促したいから おひなまき
<実習>正面を見たまま、右手で左ひじを触る。
見ていないのに、なぜ触れるのか?
目をつぶって、相手に足の指を1本つまんでもらう。
何指かあてられる?
脳の発達って、看護師助産師は、そんなに?詳しくありません。
でも、子どもの発達を考えるときに、脳の発達がじつはとても大事。
こんなことやっていたら、ゆうに60分は延長(;´▽`A``
皆さんの頭もパンク状態でしょうが、
私の心身の状態もぎりぎりです (;´Д`A ```
私がどれだけの時間をかけて、学んできたことを、
ぎゅっと凝縮して、ぎゅっとした時間の中でお伝えする・・・・
私にも難しいことはあります o(TヘTo) クゥ
でも、アンケートに書かれた感想がとてもうれしかったのです。
感想
・とても勉強になった、すぐに使えそう
・産婦にもっと触れてみようと思った
・自分を知る機会になった
・大人の首すわりの意味がわかった
・助産師の身体、自分の身体について興味を持った
・難しくて理解できないところもあった
・新しいことを広めていくには根拠が必要ですが、どこからの根拠かわからなかった
・小児科医、整形外科医、産科医がどう考えているかも知りたい
今後
・首すわりやマイピーロ、おひなみきの目的、方法についてもっと知りたい
・子どもの発達、赤ちゃんケアについてもっと知りたい
・授乳姿勢などもっと具体的な授乳ケアを知りたい
・授乳姿勢が歯科の歯並びにつながることについて聞きたい
・子どもの正常な発達や首すわり、どのような遊びを取り入れたらよいかなど知りたい
・産後の骨盤ケアについて
・未分娩の方への体操、手当て
・回旋異常を治すためのメニュープログラム(具体的な方法EX、バランスボール→首回し何回)
・さすることのエビデンスをもっと知りたい。ヒートショックプロテイン効果やオキシトシンとか
ありがたい。
それぞれに、気になるところ、学べたところがあったのなら何よりです。
一番うれしい感想は、
「産婦にもっと触れてみようと思った」です♪
手と目で「看護の“看”」。
触れないとわからないことばかり。
エビデンスを求める医療職は多いです。
科学的根拠がないと、医療とは呼べない・・・からですか?
根拠を求める姿勢は大事です。
わたしもそう思ったから、大学院で研究をしました。
統計学で、90%の人に効果があります!と出る。それはすごいこと。
でも私は、10%の人にも効果があるケアをやりたい。
目の前で痛がる妊産婦さん、反って泣き続ける子ども、うまくいかない授乳。
これらを目の前にして、あなたは何ができますか?
と問いかけたい。
みんなそうだよ。 いつか楽になるよ。
って言って、楽になるのは誰ですか?
根拠を示す姿勢も大事。
でも、一番大事にしたいのは、自分の目の前にいる人が
何を求め、何をして欲しいのか。
何をしたら、この人が健康になり、本当の笑顔になれるのか?
それを、オンタイムで考え実践することです。
妊産婦さん、子どもたち。日々体が変化しています。
開業して3年ですが、毎日レベルアップが求められます。
昨日使えた技が今日使えない・・・ざらにあります。
周産期にかかわるスタッフも、勉強しましょう!
そして、母子の笑顔を応援しましょう!
こんな気持ちをお伝えして、講演会を終わりました。
はぁぁぁ!! 疲れた~ |* ̄∇ ̄|ニヤッ
やり切りました!
『 見て触れて 答えはあなたの 目の前に 』