もどかしい仕事。。。 お母さんをケアする行政のシステムはどこ?

助産院の仕事以外に、親子すこやか相談室の相談員や、健診事業のお手伝いもしています。

 

すこやか相談室では・・・・・

クライアントの親子さんに会うこともあり、ケア後の経過を知ったり、子どもの成長を見られたりと、嬉しいことがたくさんあります。

しかし、反りかえりや向き癖の強い赤ちゃん。正しい寝返りやお座りができていない子。

前抱っこ紐から首を後ろにぶら下げている赤ちゃん、顎や首のずれが外から見ても分かります。

しかし、浜松市から委託を受けて行う仕事です。

「うちの助産院においで~」とか「ケアが必要だよ~」とかなんて言えません。

それ以前に、お母さんが赤ちゃんの異変に気づいていなければ、指摘する私はただの変なおばさんです。

あ・・・嫌いな響きじゃないな ^ー^;

ちょっと、抱き方を変えてもらったり、寝かせ方を変えてもらう、抱っこ紐の使い方を変えてもらう。

こんなことでやり過ごしていますが・・・・

お母さんの身体にも目が離せません。

ゆるい骨盤。下がった内臓。ねじれている肘。

でもこちらは簡単♪お母さんって自分の身体をケアしてもらうのは好きなので、

「おっぱい体操!」とか「骨盤体操!」とか言うと、すんなり受け入れてくれます。

 

しかし・・・・健診事業では

子どもたちの成長発達のスクリーニングを行うところが、健診になります。

問診や医師の診察など、いろんなところで子どもの様子を見て、継続支援が必要な子かどうかを判断しています。

「動きの多い子だね」 「視線が合いにくいね」 「言葉の発達が遅いね」

こんなことをチェックしていくわけですが・・・・

子どもだけでなく、お母さんの身体が私はとても気になります。

唇の色が悪い。細身の割に下腹ポッコリ。息が浅い。足の長さが違う。骨盤傾いている。目の動きが悪い。

もっともっと気になります。

しかし、健診終了後のカンファレンスでは、子どもの話ばかり。

「お母さんの関わりが変わればいいかな?」 など、お母さんに対する指導が出ることもあります。

確かに、そんな人もいるでしょう。でも、あんなにしんどい身体のお母さんにもっと頑張れというの?

親子の様子を心から心配して、関わりを続ける保健師さんたちはすごい!

でも、お母さんの身体があんなにしんどそう。

何か助ける手段はないのですか?せっかく開業助産師を非常勤として雇用できているなら、もっと活用できませんか?看護者って、その手ひとつで、人の身体を心地よくできるんです。そんな職業ですよ。

 

自分のしんどい身体で精一杯のお母さんが、必死に子どもを追いかけている。

浅い息をしながら、一生懸命子どもに話しかけてる。

動きの悪い目で、動き回る子の姿を探している。

 

子どものケアも大事。でも、子どもを育てるお母さんに誰か手を差し伸べてくれませんか?

 

「うちの助産院においで」

 

この一言を言いたい。こっそり名刺を渡したい。

 

「お母さん。しんどくない? 1回楽になろうか!」

 

背中を 肩をなでてあげて。

これなら誰にでもできる。

 

なんだったら、ハグして「がんばってるね」って言ってあげて。

 

看護師・保健師・助産師・医師・薬剤師・保育士・介護福祉士の免許があれば、勝手にハグしてもいい。

国家資格が免罪符。

本当は誰でもいいはず。みんな誰かに育ててもらってきて今があるから。

 

子どもの発達障害をスクリーニングすることも大事。

でも、子どもの健やかな発達のためにも、元気なお母さんを支えることが大事。

 

こんな行政システム・・・早くできて欲しい。

お母さんをケアしたい人・ケアできる人は、たくさんいるのだから。